昭和のレトロ食堂

壁に張られた手書きのメニューに簡素なテーブルといす。温かい接客と開店以来、変わらぬ味。チェーン店全盛の時代にあって、人のぬくもりが感じられた昭和の雰囲気を伝える素敵な食堂たちを紹介していきます。

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旧官営富岡製糸場

富岡製糸場日本の近代化を支えた富岡製糸場

江戸から明治へと時代が変わり、日本は世界の植民地化を進める欧米列強と伍すべく急速な近代化を推し進めました。非欧米で初めてとなる自力での近代国家建設を成し遂げるに当たり、日本は主に生糸の輸出で外貨を獲得しました。その原動力となったのが富岡製糸場です。ユネスコの世界遺産登録の前段階となる暫定リスト入りが決まり、一躍注目される存在となりました。

明治5年東繭倉庫のアーチには建設年を示すレリーフが

創業は明治5年。全国各地から工女が集められました。戦前の繊維産業には女工哀史のイメージがありますが、模範工場として国内に技術を伝える目的があったため、工女たちはみな裕福な家庭の出だったそうです。

3号館2号館左が3号館。右が2号館

民間へと払い下げられ、片倉製糸紡績会社(現片倉工業)が昭和14年から所有。昭和62年に操業を停止しましたが、幸いにも大半の建造物が建立当時のまま維持されました。入り口から近い2号館と3号館はヨーロッパ各国が植民地に建設した建物にみられるコロニアル様式が採用されています。

診療所ブリューナ館左が診療所。右がブリューナ館

かつて工場内で働いている人のために設けられた診療所、建設を担当したフランス人技師のポール・ブリューナやその家族らが住んだ1号館(ブリューナ館)も現存しています。一般公開はされていませんが、ブリューナ館の地下にはワインや食料を保存したレンガ造りの貯蔵庫も残っているそうです。

富岡製糸場正面東繭倉庫実は木骨造

製糸場の象徴である東西の繭倉庫は完全なレンガ造りに見えますが、正確には木骨レンガ造り。あくまで基本は木造で、壁面にレンガを採用した和洋折衷の工法です。

操糸場煙突西繭倉庫

このほか、繰糸場なども残っています。西繭倉庫の側へは立ち入り禁止になっており、入ることができません。

レンガの印これは「ヤマに二」の印

建物に使われているレンガをよーく見ると、印がついているものがあります。これはどこで焼かれたレンガかを示したものだそうです。面白いですね。

原料課内かなりの広さです

以前は建物内はまったく公開されていなかったのですが、2005年に土地建物の所有が富岡市へと移り、世界遺産暫定リスト入り以降は訪れる人が急増。これを受け、東繭倉庫の一階、原材料課のあった一角に入れるようになりました。中には売店も設けられ、上州座繰り機を用いた手作業による昔ながらの生糸づくりも実演されています。

たくさんの見物客毎日大勢の人が来るように

暫定リスト入り以降、本当に全国各地からたくさんの人が見物に訪れるようになりました。見学者用駐車場が設けられるなど、周辺環境の整備も進んでいます。これが本登録された日にはどうなることでしょう。願わくば安易に観光地化することなく、中心街のまち並みも現在の良い部分を残しつつ、後世へと伝えていってほしいものです。場内ではボランティアによる外観説明会が毎日行われており、詳しい説明を聞きながら見学ができます。
正門前のポスト正門前に残る旧型のポストはレンガとお似合い

群馬県は県内に残る養蚕から織物までのシステムを一体で世界遺産として登録しようとしています。わが桐生市はその中で、織物の部分を担う極めて重要な位置にいるのですが、暫定リスト搭載を見合わせました。「機が熟していない」というのが理由だそうですが、登録に加わるための周知や活動を何ら行わない市当局の極めて消極的な姿勢は残念ですし、市民の一人として不満と憤りを覚えます。

見学を含めた富岡製糸場についての詳細は富岡製糸場世界遺産推進ホームページをご覧下さい。

また「昭和のレトロ食堂」管理人としては、製糸場を訪れた際にぜひお勧めしたいお店があります。富士屋軽喫茶店です。

旧官営富岡製糸場
富岡市富岡1−1<地図>

コメント

奇跡です。

>京都・ふらり鉄道散歩さん
明治政府が建てた官営工場でこのようにきちんとした形で残っているのは、もはや富岡製糸場だけだそうですよ。残ったのは奇跡に近いです。富岡が群馬県の政治的・経済的な中核ではなかったことが幸いしたのかもしれません。機会がありましたら、一度ご覧になる価値はあると思いますよ。
ポチありがとうございま〜す。

これが有名な富岡製糸工場ですか。明治にこれだけ立派な工場とはすばらしいですね。群馬行く事有れば訪れてみます。ポチ!

奇遇ですね!

>小山卓治ファンさん
いやいや、本当に奇遇ですね〜。
富士屋軽喫茶店はずっと前から紹介したかったお店なのですが、はじめに赴いたときは偶然に見つけたもので、ちゃんと店名や場所を確認しなかったため、昨年に富岡に行ったときには富岡製糸場のすぐそばだったにもかかわらず、店まで辿り着けなかったのです(管理人は実は極度の方向音痴でして…)。
ここの名物のアズキアイス、おいしいですよね。アズキアイスのことも紹介しますよ〜。今週の拙ブログは『富岡特集』になりそうです。

子供の頃から…

いやぁ、びっくりしました。
というか世の中は狭いというか。
こないだ富岡に行ったとき、家族で話したんですよ富士屋について。
カミさんが子供の頃からよく行った店なんだそうです。
アズキアイスとかの話もしました。

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ようこそおいで下さいました。
管理人の銀ねずみです。
ここではタイトルに掲げた「昭和レトロ食堂」
を中心に、戦後の経済成長の波にもまれながら
も昔のままの姿をとどめる建物やまち並みも
紹介します。私の住む群馬県桐生市は織物の
街として栄え、戦災も免れたため、ノコギリ
屋根工場(製織のため、天井に採光窓を持つ
個性的な外観の工場)をはじめとする近代化
遺産が数多くあります。ここでは桐生に軸足
を置きつつ、各地のレトロを取り上げます。
戦前に製造されたウランガラスなど、趣味の
ことも記していきます。

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