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昭和のレトロ食堂

壁に張られた手書きのメニューに簡素なテーブルといす。温かい接客と開店以来、変わらぬ味。チェーン店全盛の時代にあって、人のぬくもりが感じられた昭和の雰囲気を伝える素敵な食堂たちを紹介していきます。

もんじ焼き

もんじ4

もんじゃ焼きといえば、東京の月島が有名ですが、桐生では戦前から「もんじ焼き」と言われ、親しまれています。20年くらい前までは、ほぼ小学校区ごとに駄菓子屋を兼ねた「もんじ焼き屋」があって、放課後の子供たちのたまり場になっていました。残念なことに、今ではほぼ姿を消してしまい、「もんじ」を知らない子供が増えています。ですが、まだ健在の店もわずかにあって、貴重で希少な存在です。

もんじ1

ここがそのうちの1軒。一見すると、お店とは分かりません。看板もありませんから、知らない人はきっと気づかないでしょう。入り口の両脇にある古くて不動の自動販売機が目印です。

もんじ2

中に入ると、焼き台がいくつも並んでいます。桐生っ子は懐かしさを覚える光景です。店を切り盛りしているのは86歳のおばあちゃんです。

もんじメニュー

子供相手の商いですから、小銭で食べられる価格設定です。それにしても安すぎます。ずっと値段を変えていないそうです。品書きの回りには「もんじ1杯 キムチ33杯」など、子供たちが辛さを競った輝かしい(?)記録の数々も張ってあります。下らないことで真面目に張り合うのは、子供の特権ですね。

もんじ3

品書きを見ながら、入れるものを決めます。おばあちゃんのお勧めはポテト。「これがうちの特徴だから」というそのポテトはソースで味付けがしてあって、ちょっと子供洋食のようです。

もんじ5

熱い鉄板の上に種を流し込んで焼ながら、口に運びます。うまい。「ビールを自分で持ってきて食べる人もいるよ」とおばあちゃん。最近は子供の数が少なくなって、店に来る客は大人の方が多いくらいなのだそうです。

もんじ・駄菓子

店ではもちろん駄菓子も売っています。もんじの具にベビースターラーメンを選んだときは、ここから自分で一袋取って使います。

もんじ6

桐生は野球が強くて「球都」とも言われます。地元の甲子園出場校のペナントがたくさん張ってあります。常連の高校生たちが持ってきたようです。

もんじ・猫

店の前にはどういう訳か、たくさんの猫ちゃんたちがたむろしています。人間だけでなく、猫の社交場にもなっているようです。

山藤のもんじ焼き
桐生市錦町二丁目サクライデンキ付近<地図>

夕顔ラーメン(栃木市)

夕顔ラーメンPOP

食堂昭和軒でこの販促物を発見し、すかさず「夕顔ラーメンください」と注文したら、おかみさんに「うちのラーメンは全部、夕顔ラーメンだよ」と返されました。

夕顔ラーメン

夕顔ラーメンとは、麺に市の特産である夕顔(かんぴょう)の粉を用いたラーメンのことだそうです。かんぴょうの味は感じませんでしたが、麺が非常にぷりぷりとした感じで、歯ざわりがいいです。麺だけでの差別化ですので、いわゆるご当地ラーメンとしてはかなり地味ですが、おいしいです。お店では「とちぎ蔵の街 夕顔ラーメン会」と書かれた専用のどんぶりで出てきました。

夕顔ラーメン会なる組織ができていて、栃木市観光協会のホームページに一応の記載があるのですが、ちょっと分かりづらいです。
加盟店が掲載された新旧のホームページはこちら(1)(2)

栃木市のレトロ一覧

栗まんじゅう

栗まんじゅう大きくておいしい栗まんじゅう

不思議と騒がれることがない地味な存在ですが、間違いなく桐生の名物の一つです。栗まんじゅうと銘打ってはいますが、栗は全然入っていません。栗の形をしているから、なのだそうです。普通の薄皮の栗まんじゅう(写真、1個90円)と生地が生どら焼きのような、かすてら焼き(1個95円)の2種類があります。


藤掛屋2作っている様子が見られます

お店に行くと、その場で注文を受けてから焼いて、できたてのほかほかを売ってくれます。これでもかとばかりに、あんこがたっぷりと入っていて、とてもおいしいです。

藤掛屋

これがお店の建物。おまんじゅうを買い求める近所の人たちでいつも賑わっています。隣に駐車場もあって台数も結構停められるので、車で来ても大丈夫です。

藤掛屋
桐生市錦町二丁目5-2<地図>

ゼリーフライ(行田市)

世の中に全然似ていない兄弟というのは珍しくありませんが、フライとゼリーフライの関係もそんな感じでしょうか。同じ行田名物で「フライ」と名が付いた食べものなのに、見かけが全く異なります。

ゼリーフライ

写真はかどやのゼリーフライ(70円)。フライでもなければ、ご覧のようにゼリーでもありません。その実はジャガイモとおからを使った、衣をつけないコロッケのような食べものです。食感もフライとは違ってもちもちした感じで、こっちもおいしいです。おからが苦手な人でも食べられます。

これがなぜ、ゼリーフライなのかとお店の人に聞いたところ、「銭の形をしているから『銭フライ』と言っていたのが、いつのまにかゼリーフライになった」と説明してくれました。行田市観光協会のホームページも同じ解説なので、これが公式見解なのでしょう。

ちなみにフライの名前の由来は同じく行田市観光協会のホームページによると、行田が布の産地だったから「布来」になったとか、フライパンで焼くからといった諸説あるそうです。面白いですね。

フライ(行田市)

行田ならではの食べものと言えばフライ。知名度は埼玉銘菓・十万石まんじゅうをもう超えたのではないでしょうか?

フライ揚げ物ではありません

フライはご覧のような食べもの。いわゆる揚げ物のフライとは全くの別物です。水で溶いた小麦粉にネギや肉、干しエビなどを加えて薄く焼いた、お好み焼きの原型のような感じです。基本的に味付けにはソースを用います。桐生のローカルフードであるぎゅうてんとも非常に近い印象を受けますが、ぎゅうてんはフライよりも厚く、材料の粉もうどん粉(強力粉)を使う点が異なります。

かどや角にあるから「かどや」です

行田市のホームページではフライマップが公開されていて、それによると市内の36店舗で食べることができます。管理人が足を運んだ「かどや」はどちらかというと後発だそうですが、雑誌や書籍でも取り上げられていて、比較的有名なお店のようです。

かどや店内手描きメニューが素朴な店内

卵なし(300円)と卵入り(350円)のいずれかから選べます。卵入りは中央部に目玉焼きのように固まりで卵が入っています。ここのフライはとにかくふわふわとした食感でとてもおいしい! この食感をどうやって出しているのか、興味深いです。

このようにとってもユニークな食べものですが、同じ行田のローカルフードのゼリーフライは同じく「フライ」の名が付いているのに全く異なる食べもので、もっと面白いです。

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銀ねずみ

銀ねずみ


ようこそおいで下さいました。
管理人の銀ねずみです。
ここではタイトルに掲げた「昭和レトロ食堂」
を中心に、戦後の経済成長の波にもまれながら
も昔のままの姿をとどめる建物やまち並みも
紹介します。私の住む群馬県桐生市は織物の
街として栄え、戦災も免れたため、ノコギリ
屋根工場(製織のため、天井に採光窓を持つ
個性的な外観の工場)をはじめとする近代化
遺産が数多くあります。ここでは桐生に軸足
を置きつつ、各地のレトロを取り上げます。
戦前に製造されたウランガラスなど、趣味の
ことも記していきます。

画像や文章の流用は固くお断りします。