昭和のレトロ食堂

壁に張られた手書きのメニューに簡素なテーブルといす。温かい接客と開店以来、変わらぬ味。チェーン店全盛の時代にあって、人のぬくもりが感じられた昭和の雰囲気を伝える素敵な食堂たちを紹介していきます。

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飯島屋(富岡市)

飯島屋1
富岡製糸場の世界遺産登録に向けて沸く富岡市の旧市街。いくつもある魅惑の食堂のうちの一つが、この飯島屋です。急行食堂と道を挟んだ隣にあります。はしごしたくなる近さです。

飯島屋団子
ここは団子屋であり、そして中華そばも扱うという非常に珍しい取り合わせの店です。自慢のみたらし団子は、何と三味線の糸で切っているのだそうです。1本60円と大変良心的なお値段。行かれたときは、必ず頼みましょう。おいしいですよ。

飯島屋店内
お店の中はこのような感じ。いかにもなレトロ食堂のそれです。おじさんとおばさんが忙しく働いています。

飯島屋中華そば
もう一つの目玉である中華そば(500円)。こちらも昔ならではの一品。写真はチャーシューメン(600円)です。チャーシューも現代流のとろとろな肉でなく、正統派の焼き豚。普通のラーメンとの差額はたったの100円なので、お得です。

飯島屋あんみつ
そしてそして、あんみつもあるのです。これがボリュームたっぷりで、且つあんこがすごーく甘い。まさに甘味といったところ。普通のあんみつは250円。写真はクリームあんみつで350円です。お団子とチャーシューメン、それにクリームあんみつと「黄金の3点セット」を注文しても1000円ほど。うれしすぎます。

飯島屋メニュー
麺類はほかに味噌ラーメンやタンメン、五目ラーメンやネギラーメンなどもあって、なかなかの充実ぶりです。

飯島屋
富岡市富岡1432<地図>
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タイガー食堂(東京都中央区)

タイガー食堂外観

東京はその過密さゆえに土地の高度利用が避けて通れません。地価が上昇局面を迎えるたびに、味のあるまち並みが削られていくのは宿命ともいえます。特に銀座は商業地として超一等地であり、きらびやかな店であふれ返っていますが、その中に混じって奇跡のような存在があります。このタイガー食堂です。

タイガー食堂側面

ビルばかりの銀座にあって、低層2階のタイル張りのレトロな建物は非常に目を引きます。特異ですらあります。ただ「タイガー食堂」とだけ記されたごくシンプルな看板からも威風堂々の存在感が伝わってきます。

タイガー食堂自転車

何と、店前に置かれた自転車までが昭和。徹底しています。

タイガー食堂店内全景

食事の後、無理を承知で写真撮影を願い出たところ、ご主人と奥様から快くご承諾を頂きました。御覧の通り、実に素晴らしいです。いい意味で銀座らしさがありません。窓の内と外とで別世界のような違いです。

タイガー食堂店内2

品書きはもちろんレトロ食堂の基本である手書き。何とも味わい深いです。

タイガー食堂店内1

天井に備え付けられた大きなファンが店の雰囲気を高めています。

タイガー食堂店内4

素朴な照明の光とほど良い暗さもまた、店の雰囲気にぴたりと調和しています。

タイガー食堂店内3

もちろん、食事のメニューそのものも魅力的。日替わりランチは安くてボリューム満点。管理人がお伺いしたときは、メンチカツ2個とアジフライ、それに具だくさんの味噌汁やサラダがついて、たったの680円でした。高級店の並ぶ銀座には他にいくらでもおいしいものはあるでしょうし、お金を積めばどんなぜいたくもできるでしょう。ですが、都心の激動を乗り越えてきたこの店の雰囲気とともに味わう料理は、決して他所が真似することはできません。これからも末長く営業が続くことを願っています。

タイガー食堂
東京都中央区銀座一丁目15-12<地図>

群馬会館食堂(前橋市)

群馬会館

群馬会館は、群馬県庁の向かいにある歴史的建造物です。財団法人前橋観光コンベンション協会のホームページにある解説によると、建設は昭和5年11月。昭和天皇の即位を記念して建てられた県内初の公会堂で、地上4階地下1階。県庁昭和庁舎と似通った様式で、この二つの建物は群馬と前橋のランドマークのような存在です。

群馬会館食堂入り口

ここの地下部分が食堂となっています。あまり目立ちませんが、地下へと降りる階段が建物の正面にあります。

群馬会館食堂

以前は洋食屋に近い感じだったようですが、現在は古い建物の良さを生かしつつ、きれいに改装され、おしゃれなレストランとして営業されています。壁面には昔のポスターも飾られて、レトロな雰囲気をさらに高めています。

群馬会館箸入れ

メニューはカレーライスなどの単品から本格的なコース料理までと多彩。昼時のランチメニューは千円台とお得です。割り箸の袋の字体も昔ながらで、細かい部分のこだわりもうれしいです。


県庁昭和庁舎

道を挟んで向かいに建つ群馬県庁昭和庁舎の中にもカフェが営業しています。建物は主に展示空間として、さまざまな利用がなされています。

群馬会館食堂
前橋市大手町二丁目1-1<地図>

松村甘味食堂(秩父市)

松村甘味食堂1

パリー食堂と同じく、秩父神社へと続く参道の途中にある食堂です。桐生をはじめ、各地にある伊勢屋は店の中で菓子やお茶、それに簡単な食事を楽しむことができますが、店内で飲食できるそうした和菓子屋の食堂的機能を拡大充実させたようなお店です。「甘味食堂」というネーミングに好感が持てます。手描きの暖簾が派手で目につき、かつ駅にも近いため、たくさんの観光客でにぎわっています。

松村甘味食堂2

店頭ではおまんじゅうなどの菓子、それにのり巻きなどを売っています。店内では親子丼やラーメン、カレーライス、おむすびなどの大衆食堂メニューがずらり。加えておしるこやかき氷など、菓子店らしい食べ物も楽しめます。訪ねた土地にこうした個性的なお店があると、うれしくなりますね。

甘味食堂おまんじゅう

2種類のまんじゅうを買い求め、パレオエクスプレス号の中で味わいました。甘い餡で皮もおいしく、ちょうどいいおやつになりました。

松村甘味食堂
秩父市東町7-8<地図>

パリー食堂(秩父市)

パリー食堂外観1

秩父鉄道の御花畑駅を下り、秩父神社へと続く参道沿いにあります。管理人主観では、あまたあるレトロ食堂の中でも第一級の存在です。ずっと足を運びたいと長らく願っていましたが、ようやく叶いました。

パリー食堂外観2

建物の正面は平坦で、窓周辺の造形が美しいです。中央部には金色に燦然と輝く「パリー」の文字。これぞ正に金看板です。

パリー食堂プレート

パリー食堂は国の登録文化財に指定されており、出入り口のわきに誇らしげにプレートが取り付けられています。その説明文によると、元々の名称は「カフェ・パリー」。建築は昭和2年。木造2階建て鉄板葺きの建物です。

パリー食堂ショーケース

ショーケースはいかにも大衆食堂のそれ。風格ある店舗とのミスマッチが絶妙で、とても面白いです。

パリー食堂入り口

出入り口上部のアサヒビールの赤い看板と紺色の「パリー」の暖簾の組み合わせが実にいいです。

パリー店内1


パリー店内2

店内は往時のカフェの雰囲気をそこかしこに残しつつも、気取らない食堂として機能しています。

パリー扇風機

天井には、これもレトロ食堂の定番である扇風機が取り付けられています。

パリーメニュー

「献立表」と書かれたメニューも味があります。オーソドックスで特別変わったものはありませんが、どれもレベルが高いです。

パリー焼肉丼パリーオムライス

焼き肉丼やカツカレーの肉は厚みがあり、ボリューム満点です。オムライスはバナナもついて、おしゃれに盛り付けられています。中のチキンライスもお肉がごろごろしています。注文した品を一度に出すご主人の手際の良さにも脱帽です。

パリーどんぶり1パリーどんぶり2

特筆すべきなのはどんぶり。ふたと側面にひらがなで「ぱりー」と白抜きで文字が入っています。とってもお茶目です。思わず持って帰りたくなりました。

パリー鳥居

敷地内には何故か祠があります。

最寄り駅である御花畑駅には蒸気機関車C58「パレオエクスプレス号」が停車します。始発は熊谷駅。お出掛けの際は、SLに乗って行かれることを強くお勧めいたします。昭和レトロな気分がさらに高まること、間違いなしです。

パリー食堂
秩父市番場町19-8<地図>

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プロフィール

銀ねずみ

銀ねずみ


ようこそおいで下さいました。
管理人の銀ねずみです。
ここではタイトルに掲げた「昭和レトロ食堂」
を中心に、戦後の経済成長の波にもまれながら
も昔のままの姿をとどめる建物やまち並みも
紹介します。私の住む群馬県桐生市は織物の
街として栄え、戦災も免れたため、ノコギリ
屋根工場(製織のため、天井に採光窓を持つ
個性的な外観の工場)をはじめとする近代化
遺産が数多くあります。ここでは桐生に軸足
を置きつつ、各地のレトロを取り上げます。
戦前に製造されたウランガラスなど、趣味の
ことも記していきます。

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